
孫子の紹介も第四篇である。
孫子の全篇は十三篇と少ないが、中身は山のように高く、海のように深い。
2千数百年の歳月を生き残ってきた孫子の奥義は怪しい光とともに輝き誰の占有も許しはしないのだろう。
軍形篇
孫子曰ク、昔ノ善(ヨ)ク戦ウ者ハ、先ズ勝ツベカラザルヲナシテ、以ッテ敵ノ勝ツベキヲ待ツ。
勝ツベカラザルハ己(オノ)レニ在(ア)ルモ、勝ツベキハ敵ニ在リ。故ニ善ク戦ウ者ハ、善ク勝ツベカラザルヲナスモ、敵ヲシテ必ズ勝ツベカラシムルコト能(アタ)ワズ。故ニ曰ク、勝ハ知ルベクシテ、ナスベカラズ、ト。
昔の戦上手は、まず自軍の体勢を固めてから、敵の崩れるのを待った。
不敗の態勢をつくれるかどうかは自軍の態勢いかんによるが、勝機を見出せるかどうかは敵の態勢いかんにかかっている。
よって、どんな戦上手でも、不敗の態勢を固めることはできるが、必勝の条件まではつくり出すことができない。
「勝利は予見できる。しかし必ず勝てるとは限らない」とは、これをいうのである。
まずは、守りを固めて敵の崩れるのを待って攻勢に出る。
これは予算にもいえることではないだろうか。
予算は作ることができるが必ずそのとおりにいくとは限らない。
企業に例えれば収入となる売上げの決定権は社外である顧客にある。
支出となる商品の購入や人の採用など支払いの決定権は社内にある。
社外に決定権のある売上げの会議を社内で行い、社内にある支出の会議を行わない企業が生き残ることはできないであろう。
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